「鈴木春信『江戸の妖精たち』(上)」
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1765年(明和2年)春、江戸の街でちょっとした事件が起こった。旗本や町人たち江戸の文化人がつくる俳句サロンが催した「絵暦交換会」で鈴木春信が華々しくデビューしたのである。
後に「あずま錦絵」と呼ばれたその絵暦(カレンダー)は、上質な奉書紙(和紙)に豪華な多色摺りで桐箱入り、しかも洒落とウイットに富んだ図柄で、価格も金一分(物価換算で約3万円)と印刷物としては桁外れの値段だった。(図4〜図10)。この春信が確立した多彩色版画の技法は、後に続く浮世絵の黄金時代の始まりであった。
後に「あずま錦絵」と呼ばれたその絵暦(カレンダー)は、上質な奉書紙(和紙)に豪華な多色摺りで桐箱入り、しかも洒落とウイットに富んだ図柄で、価格も金一分(物価換算で約3万円)と印刷物としては桁外れの値段だった。(図4〜図10)。この春信が確立した多彩色版画の技法は、後に続く浮世絵の黄金時代の始まりであった。
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